ハッキリ言ってこの作品は癖が強いから万人におすすめできるわけじゃないんだけど、万人受けしないからこその面白さがあるのも確か。
興味がある人は勇気を出して視聴してほしい。
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人物描写こそが魅力
ラーゼフォンってスパロボMXでのヘミソフィアアレンジが有名だと思うし俺もスパロボ経由でラーゼフォンを見た人間の一人。
でも最終話まで見て思ったのはこの作品の一番の魅力は人物描写ですね。
キャラクター達が何を考えているのか、何に苦悩しているのか、どのような思惑が絡み合っているのか。
ここがラーゼフォンの面白いところであり、万人におすすめできない理由でもある。
生々しくドロドロな人間関係
まず言いたい。ドロドロしすぎ。
特に小夜子さん関連は辛かったね。
好きな男のために真と肉体関係を結ぶわけだけど、意中の相手は自分のことなんて見向きもしてくれない。
だって樹が好きなのは遙さんだからね。
この樹に関しての22話での小夜子さんと遥さんのやり取りなんかは聞いてて辛いけど好きなんだよな。
遥さんは樹のことを「樹くん」って呼ぶけど、小夜子さんは「樹さん」や「如月博士」って呼んできたというこの辛さ…
私はいつだって好きな人にさん付けだった。だけど遥は大学時代に樹と付き合っていたし今もくん付けして呼んでいるし、樹は今でも遥のことが好き。
こんなのをまじまじと見せつけられるんだぜ?そりゃつれぇでしょ。
如月博士のために一時は真と関係を持つわけだけど、その関係をちょっと楽しんでるような節もあったりして…12話での遥とのやり取りなんかはすげえ嫌な感じだよね。
でも結局真には裏切られるし樹にも見限られて…何にもいい方向に動かねえんだよな。
16話でのバーのシーンも好きなんですよね。
真は一言も言葉を発しないんだけど、小夜子さんだけが自嘲気味にべらべらと…
この辺が妙に生々しいというか人間味があるというか「現実でもこんな展開はよくあるんだろうなぁ」と思わされるのがね、不快だけど面白いんだよ。
というか小夜子さんほんとに最後まで報われないんだよな。
樹さんに対する愛憎でぐっちゃぐちゃな人生を歩むことになり、最後には愛しながらも樹さんをその手で殺す。
そしてその直後、その愛はプログラムされたもの…小夜子さん自身もバーベムに作られた代用品でしかなかったという事実を知らされ、絶望の中自害する。
プログラムされたものだとしても、愛憎に生きた。
どこにも救いがないんだけど、だからこそ感情を動かされる。
ラーゼフォンの中でもトップクラスに好きになったかもしれない。
なんか小夜子さんの話ばっかしちゃったけど、真も好きなんだよな。
最初はただの嫌なやつとしか思わなかったけど、彼の持つ劣等感や真実を知った時の絶望を知ると一気に好きになった。
そして関俊彦さんの演技が本当に素晴らしい。
特に25話での精神が崩壊した演技は鳥肌モノでこれだけのためにラーゼフォンを見てもいいくらい。
ただ狂ってるんじゃなくて、その中にある劣等感や悲しみまでも伝わってくる。
凄惨な最期も含めて非常に印象的でラーゼフォンで一番好きなシーンかもしれない。
人間関係といえば遥と綾人の関係もあるわけだけど…ぶっちゃけこの二人の関係はそんなに好きじゃない。
やっぱり遥のビジュアルがあまりにも変わりすぎてるし、愛が重すぎて感情移入できなかった。
ブルーフレンドはやっぱり辛い
ラーゼフォンといえばブルーフレンドだと思うんだけど、結末を知っていてもやっぱり辛かったね。
【アヤトクン】
ラーゼフォンのブルーフレンドとかいうサブタイトル最低だよな自分には何もない、失うものなんてないと思ってた。だけど友達を…守るべき大切な人のために必死に戦った。何度も何度も殴りつけ、腕を潰す。胸を貫く。爆散の瞬間、目の前にいるものの正体を理解する。
【サヨナラ】 pic.twitter.com/7WGDFdrjOj
— ミセレイボックス@旧スパロボ道 (@become_onigiri) December 15, 2023
朝比奈と過ごした時間ってアニメの描写だけだとそんなに多くないんだけど、その少ない描写で朝比奈の心情をうまく描けていたからこそブルーフレンドが屈指の名場面になったんだと思う。
あの逃亡生活の中で綾人に頼るしかなくて、青い血を認めたくなくて、笑いあっている時間も本当は不安で…でも言えなくて。
そんな朝比奈を守りたい。友達のために戦いたい。
朝比奈を守るために戦っていたはずなのに、その朝比奈を傷つけていた。何度も何度も殴りつけ、腕を潰し胸を貫く。
トドメの一撃を刺した直後、自分の戦っていたものの正体を知る。
まさかと思った瞬間に目の前で爆散し、青い血が周囲に飛び散る。衝撃と共に浮かび上がる最後のメッセージ「サヨナラ」
「ブルーフレンド」というサブタイトルは本当に秀逸で、最低で、人の心がない。
それなのに自分の胸中を打ち明けた朝比奈の最期にはある種の爽快感さえあって、悔しいけど面白かった。
名場面として語り継がれるのも納得せざるを得ない。
メカデザインが素晴らしい
言うまでもないけどメカデザインも素晴らしくて、やっぱり主人公機であるラーゼフォンはカッコいいね。
あの独特のデザインはラーゼフォンという世界観を構成する重要な要素だし、単純にビジュアルがよすぎる。
正直人間の顔がついてるロボットってあまり好きじゃないんだけど、ラーゼフォンは本当に好き。
あのヒロイックだけど神聖で厳かなバランスがたまらないんだよ。
ヴァーミリオンもすごく好き。
デザイン自体はラーゼフォンに近いんだけど、戦闘機さながらの高機動で重火器を扱いレールガンでドーレムを一掃する姿がカッコいい。
総評:きっとあなたも、調律される。
冒頭説明した通りラーゼフォンは人物描写や人間関係にこそ面白さがある。
ただし世界観も含めて全体的に説明不足感は否めないから、1周目で全てを理解するのは難しい。
だから最終話まで見たときにキャラクターの関係性を理解した上で最初から見直したくなる魅力がある。
こう思ってしまったらもう負け。完全にラーゼフォンの虜になっているし、もうラーゼフォンを知らなかった世界には戻れない。
なぜなら俺自身がそうだから。
「ブルーフレンドだけじゃないの?スパロボで有名だから名作扱いされてるんじゃないの?」と疑ってかかっていた性格の悪い俺はもういない。
もう、ラーゼフォンが好きな世界に調律されてしまったのだから。
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