スパロボTの参戦を期に、無限軌道SSXを視聴しましたのでその感想を。
ところで、この作品の略称は何がいいんですかね?アルカディア?SSX?見終わったがしっくりこないぜ…。
個性的なキャラクター
キャラクターがいいです。
主人公ハーロックはもちろん、トチロー、タダシもしっかりキャラが立っています。
また、未熟さ故にぶつかり合い、成長していく様は2クール分の尺があったからこそだと思います。
特に、タダシの成長っぷりは必見です。
キャラごとに書いていきます。
ハーロック
この作品の主人公。
片目が隠れるほどの荒々しいロン毛に、不屈の意志を宿した目。
鼻から頬にかけた傷が只者ではない「漢のオーラ」を感じさせます。
そんな外見とは裏腹に、中身は誠実でめちゃくちゃ優しい。
仲間は絶対見捨てないし、敵であっても敬意を表する。
お茶目な部分もあるけれど、時に厳しく、時に優しく。
決めるときはしっかり決める、理想の漢です。
よく口の端をあげてニコッとするのもかわいらしい。
戦闘中はよく舵回してるんですが、この回し方がとにかく大げさ笑。
そんなに回して壊れないんか?ってくらい回します。今作におけるハーロックの象徴的な動きです。
スパロボのカットインでも再現されてますが、カッコイイです。
井上真樹夫氏の声もいい。
ただ渋いだけでなく、「己の信念を貫き通す」そんな威厳を感じさせる声。
低音なのに怖さは感じず、ほどよい緊張感と人の良さを感じます。
これがハーロックの魅力に華を添えているのは間違いないです。
トチロー
ハーロックの相棒と言うべき存在。
ハーロックだけではダメだし、トチローだけでもダメ。お互いを引き立てあう名コンビです。
アルカディア号の生みの親であり、凄腕のシステムエンジニア。
もっさりした髪に大きなメガネ、それにデフォルメされた体型。
初めて見たときは、「なんか変なおっさんやなぁ」と思ったのが正直なところです(多分20代)。
ですが、見た目で判断しちゃいけないのは現実と同じこと。
誰とでも気さくに話せ、「大丈夫さ」と励ますことができる人の良さ。
自分がバカにされるのはいいけど、惚れた女の悪口は許さない。
叶わない恋だとしても、好きな女を助ける為なら危険にすら飛び込みます。
ハーロックとの漢の友情もいい。
第17話では、お互いを信じているからこその連携を見せます。
長い付き合いだからこその「相棒感」がたまりません。
タダシ
本作中でもっとも成長したんじゃないかと思えるキャラクター。
両親を戦争で失くし、兄弟を守りきれなかった悲しい過去を持っています。
子供ながらに、自分の役割を見つけ航海のサポートをします。
そんな中で、ハーロック達と行動を共にする事で徐々に「戦士」として成長していきます。
戦闘技術はもちろん、精神的にも強くなる。
普段はおちゃらけているけど、誰よりも人の気持ちに寄り添える男です。
悲劇があれば悲しむし、良いことがあればパーっと明るくなる。
アルカディア号の頼れるムードメーカーです。
Mr.ゾーン
同じ地球人でありながら、打倒ハーロックを目論む天才科学者。
科学者としてのポストを奪われる原因となったハーロックを憎んでいるようです。
ただの嫌なやつで終わらないのがゾーンの魅力。
特に好きなエピソードが第12話。
この回では、レビィが壊してしまったトチロー製のおもちゃをMr.ゾーンが直してあげるシーンがあります。
なぜこのシーンが好きなのかというと、様々な捉え方ができるからです。
「トチローには負けたくないプライドがあるのか?」「根は優しい人間なのか?」
短い描写ですが、とても印象的でした。
また、ハーロックを憎みつつも「無二のライバル」として戦いを楽しんでいる節もあります。
最後には全宇宙を支配するという野望を掲げたものの、悪意が災いして死んでしまいます。
その際もただでは死なず、ハーロックを撃とうとした敵と相打ちになって散ります。
単なる悪役ではない、今作で最も好きになったキャラクターでした。
ほんとは5話の奴隷の子が好き
シナリオはちょっと残念
メインのお話は正直微妙。
イルミダスに支配された地球を発ち、理想郷アルカディアを目指す…のですが、特筆するようなことはないかな。
まあそこは別に良いです。キャラがいいので、1話1話の物語は結構面白い。もちろん、キャラの良さはエピソードがあってこそでありますが。
ただ、色々と雑に感じる要素が多かったです。
例えば、ケイの意識に眠っている「宝島」の在り処。
宝島っていうのはアルカディアへの入り口で、この座標を知ることが物語上重要です。
ただ、ケイが「宝島」の情報を思い出すのには条件があります。
それは「真実の愛」を知ること。それだけが、アルカディアへの手掛かりであり、シナリオ上盛り上がるシーン…になると思ってました。
この辺の描写がかなり雑で、正直がっかり。
敵に囲まれてピンチになったところをハーロックに助けられ、医務室で寝ている間に思い出します。
この描写、わずか1話分のみ。
それまで恋愛感情は読み取れなかったし、そもそもハーロックとの絡み自体大してないです。
宝島の場所を思い出してからも、特にそういう描写はなく…。
広げた風呂敷を畳めなかった、という印象です。
戦闘描写
主砲をメインに戦う。特にバリエーションはないです。
あと、よく敵艦に体当たりしてた印象はあります。アルカディア号頑丈すぎる…。
ただ、武装が少ないからといってつまらなかったわけではないです。
戦闘は迫力がありましたし、なによりアルカディア号自体がかっこいい。
ちょくちょくアップになるドクロマークが雄々しくて大好き。
性能もめちゃくちゃ高くて、終盤の方なんてほぼ無傷でした笑。
この無双感は好みです。
ハーロックの、艦を信用しているからこその戦法や、一見ギャグのような奇策も面白い。どんちゃん騒ぎをやるぞ!
総評
全体として観るとイマイチに感じる部分も多いですが、最後まで楽しめました。
作画も崩れることなく、活き活きとしたキャラクター・迫力ある戦闘を描ききっています。
シナリオを楽しむというよりは、美麗な作画やキャラを楽しむ感じ。
関連作品も見てみたいと思える作品でした。スパロボでの活躍も楽しみです。