復活のルルーシュ見ました。
本編の後日譚として面白かったです。
光を失った男
まず、「みなさんお久しぶりです!」という掛け声で始まります。
これは、久しぶりに集まった黒の騎士団メンバーに向けての言葉なんですが、当然視聴者である私たちにもぶっ刺さりまくりました。
リアル時間を得ているからこその感慨深さがありましたね。
まあ、ギアスは関連商品が出まくってるし、最近もスパロボで再開したけど。
でも本編の完全新作映像はほんとに久しぶりですからね!
劇場3部作の視聴が前提
間に色々挟みつつ、C.Cの場面へ。
電話をしているようですが…その相手はシャーリー。
そう、今回は劇場3部作の続編となるため、シャーリーが生存しています。
テレビ版しか見ていないとここで混乱するかもしれません。
実際、劇場から帰る際に「なんでシャーリー生きてたんだ?」という声が聞こえましたし。
話を戻します。
そんなC.Cの傍らには、麦わら帽を被った男の姿が。
見覚えのあるシルエット。
帽子が風に飛ばされ、ついに「アイツ」が復活を果たす…!
と思いきや、なんと現れたのは生気を失い、目に光のない変わり果てたルルーシュ!
いったいどういうことなんだ…と混乱しているところで主題歌と共にオープニング。
うーん、掴みは抜群ですね。完全に引き込まれてました。
C.Cのための物語
ルルーシュを介抱しながら旅を続けるC.C。
ルルーシュの意識はCの世界に囚われているらしく、取り戻すために遺跡を回っているんだとか。
で、そのC.Cが最高。
この映画の魅力の7割はC.Cの可愛さにあると思うよ。
ルルーシュのために料理を作ったり、発狂するルルーシュを優しく抱きしめて落ち着かせたり、口からこぼれた飲み物をふき取ってあげたり…。
ちょっとヤバくないですか?文章にしただけでヤバいのに、映像で見たらおかしくなりますよ。
C.C好きなら絶対見なきゃだし、好きじゃなくてもみたら大好きになりますよ間違いない。
でも、かわいいだけじゃない。そこには孤独やむなしさもあります。
「ほら、ご飯ができたぞ。今日は中華を作ってみたんだ。」
「ルルーシュ、絨毯を敷いてくれ。この前はできただろ?」
どんな言葉をかけても反応はない。
それはルルーシュであってルルーシュでない、ただの「虚ろ」であるから。
それでも声をかけ続ける。
諦めなければ、あの自信過剰な男が返ってくると信じて。
TVシリーズでの毅然とした態度よりも、素の感情で接してるんですよね。
「もう策がない」と諦めかけたルルーシュに「私は諦めなかった!こんなことで諦めるルルーシュが見たかったわけじゃない!」と泣きそうな顔で発破をかけるシーンは今作屈指の名シーンだと思います。
女の友情
カレンとC.Cの女の友情もよかった。
最後のリュックを引っ張るシーンでは、カレンは興味ないそぶりをしつつもC.Cを気にかけていたし、C.Cも、素直な気持ちで反応していた。
作戦前夜の「先延ばし」のシーンでもそうですが、二人の関係が初めて対等になった気がします。
今さらなんですけど、今回のC.Cの新衣装可愛すぎない?かわいいよね?何着ても可愛いけど、今回は特にヤバいよ。
今作のけなげで母性溢れるC.Cのイメージにぴったりです。
頭のターバンみたいなやつ好き。
やや物足りないKMF戦
全体的に駆け足気味だなぁとは感じていたんですが、特にナイトメア戦は物足りない。
紅蓮とランスロットは、最初はモビルアーマーのような強化装甲が付いており、これはサプライズだった。
戦闘描写としては、その場で大技を2回ほどぶっぱして終わり。
技の威力と範囲もめちゃくちゃで、完全にスーパーロボットでした。
まあ前からスーパーロボットだった気はしますが。
ランスロットは重たい強化装甲が仇となってタコ殴りに、紅蓮は電磁バリアのようなものにつかまります。
うーん、もうちょっと活躍してほしかった。
そんな状況でルルーシュと連絡が取れない。ゆえに身動きも取れない、と。
なんやかんやあって連絡が取れるようになり、全員に「生きろ」と命令が下ります。
これを聞いてスザクとカレンも一転攻勢に出ます。
ランスロットは強化装甲をパージ、超強化されたハドロンとエナジーウィングで応戦します。
せっかくのランスロットだから機動力を活かして動き回ってほしかったな。
あ、そうそう。
いつもの出撃するときにとる「あのポーズ」もちゃんとしてくれます。
懐かしくて思わずにやけた。
紅蓮の方はというと、ごめんなさいごめんなさいと何回も復唱してから装甲をパージ。
これまた超強化された輻射波動で雑魚を一掃。
ところがボス的なやつは硬くて攻撃が通らない。
そこにお見舞いしたのは…ドリル⁉輻射波動をまとったドリルで一気に貫き撃破。
ナイスな新武器に痺れたぜ。
久しぶりにコーネリアが登場し自走バトルを見せてくれるわけですが、ここも尺が短い。
映像で出されたところは少ないながらも良かった。
だからこそ、もうちょっと尺をとって描写してほしかったところです。
敵側に関しては、最初の世紀末オネエキャラが一番好きでしたね。
ジルクスタンの主要キャラはあまり印象に残らなかったかなぁ。
あ、時を巻き戻すギアスは中々強力でしたね。
毎回死ななきゃならんのがネックではありますが。
よくあの能力に気づけたなルルーシュとC.C。
一味違った扇
扇を筆頭に、サブキャラクター達も輝いてました。
コーネリアに協力を要請する際のシーン。
こいつは本当にルルーシュなのか?作戦が成功する保証はあるのか?疑念を抱くコーネリアに対し、真っ先にアプローチするのが扇でした。
ルルーシュはわからないが、少なくともゼロという男は信用できる、と。
「ゼロがいなければここまでこれなかった。なのに、あの時俺はゼロを裏切り追放した。今度こそゼロを信じたい。」
本編ではゼロを裏切り、追放した扇。
その扇が今度はゼロを信じるという展開には胸が熱くなりました。
ルルーシュと二人で会話する中で、扇は自らの罪を懺悔しようと、銃口を自分の頭に向けます。
そんな扇を、目もくれずに「やめておけ」と制止するルルーシュ。
見るまでもなく、扇の行動なんてお見通しというわけですね。
扇、お前許されるのか…。
ちなみに、扇は首相の座を降りてますね。
恐らくは自分で判断してのことだと思いますが、妥当な展開かと。
また、ロイドさんやサヨコさんもそれぞれの舞台で大活躍。
どちらも好きな身としては嬉しかったなぁ。
スザクの話も少し。
ルルーシュの姿を見たスザクは激昂し、殴りかかります。
まあ、そりゃそうだよなぁ。
ただまあ、ルルーシュも本気で死ぬ気だったから許してやろう。
後でスザクも「君が生きててよかった」って言ってるし。
最後にはほのぼのした表情を見せてくれたのが良かった。
スザクが素のままでいられる世界がくるといいね…。
孤独な決意、差し伸ばされる手
戦いが終わったラストシーン。
みながワイワイしている中、1人身支度を整え何も言わず去ろうとするC.C。
ルルーシュは復活した。
私の目的は果たしたし、ここにいるわけにもいかない。
身の丈ほどもあるリュックを背負い、1人で歩き出す姿はどこか寂しさを感じさせます。
もうすぐ人の波に紛れる、というところで誰かが呼び止める声。
もちろんルルーシュです。
なぜ来た?どうしてナナリーのところにいてやらない?という疑問に対し、ナナリーはもう自立している、俺がいなくても十分だ。と答えます。
「勝手に人を連れまわしておいて、今度は置いていくのか」
そして、こう話します。
「L.Lと名乗ろうと思うんだ」
瞬間。
思わず涙がこぼれるC.C。
5秒ほどの短い時間、無音でC.Cの表情が描かれます。
この5秒のために、復活のルルーシュは作られた。
そう思えるほどに、C.Cが救われた瞬間。
総評
この映画は、「C.Cが救われるための物語」であったと私は思います。
その一点において、復活のルルーシュは間違いなく名作。
一方、迫力あるナイトメアフレーム戦を目当てにしている人は肩透かしを食らうかも。
本作の立ち位置は、あくまでもファンディスク・後日譚程度に考えておくのがいいんじゃないかな。
そして、最後の最後には続編を匂わせるような映像もありましたね。
せっかく復活したんだし、そりゃその次も考えてるわな。
まあ、ナデシコみたいに匂わせるだけ匂わせてなにもない、ってこともあり得ますが。(状況が全く違うから比べるもんじゃないが)
とにかく、C.Cが好きなら大満足間違いなし!じっくり見返したいぜ。
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