シン・エヴァンゲリオンに向けてヱヴァ破を見直しました。日常パートと戦闘パートの緩急が素晴らしい、エンタメに振ったエヴァでした。
微笑ましい日常
よりどころの出来たシンジ
序の頃と比べると、シンジ君を取り巻く環境が幾分良くなり、何気ない日常が微笑ましいものになっているなと思います。
トウジとケンスケという二人の親友を迎えたことで、登校時には一緒に学校へ行く描写も。
この描写、だから何って感じの、とても当たり前の日常のようではありますが、他人を拒絶し、「イヤホンをする=世界との距離を置く」ことをしていたシンジが、二人の姿を見るや否やイヤホンを外すんですよね。
これってすごい成長だと思いますし「あぁ、良かったなシンジ君」って気持ちになるんですよね。
下校する時に寄り道して一緒にアイスを食ってるところなんかも好きです。
人間らしさを取り戻す綾波
ファンの間では「ポカ波」で通っているポカポカしている綾波が出てくるのも破の特徴ですね。
感情の起伏が極めて少ないミステリアスな序の綾波も好きなんですけど、破の思春期の女の子感がある綾波もめっちゃかわいい。
特に、シンジ君とゲンドウに仲良くしてほしい、自分と同じようにポカポカしてほしい、という思いで食事会を開くところなんかは最高ですし、微笑ましい。
リツコやミサトさん、アスカ達にも手描きの招待状を書いてるところなんか想像するとかわいすぎますわ。
慣れない包丁による手の傷も、彼女なりの努力が伝わってきて健気だし応援したくなる。
3号機起動実験の直前にアスカに告げた「ありがとう」の一言も、綾波の変化を感じさせますよね。
素直な女の子はかわいい。
料理ついでに言うと、序の頃は何もなく病院みたいだった綾波の部屋に、みそ汁の温かい湯気が立っている描写がグッときた。
綾波風に言うと、ポカポカした。
第10の使徒戦でN2地雷で特攻する際、シンジ君が捨てた「思い出のカセット」を自分の足に巻いていたのがね…辛いわ。
「一人じゃない」アスカ
自分は一人でやってきた、これからも一人でやっていくんだ…と自分に言い聞かせていたアスカが、サハクイェル戦以降「他人といるのも悪くない」と前向きになっていく様がいい。
シンジ君のために料理を練習するところとかいいよね。
「バカシンジならもっと薄味のほうが…」みたいなことを言いながら味見してたところとか好き。
エプロンの下が下着なのもっと好き。
夜、シンジ君の部屋に入って隣で寝始めるのとかすごくドキドキした。
あの暗い部屋で、思春期の男女が背中合わせで寝ながら小声で話す雰囲気は何とも言えない魅力があります。
普段は強気なアスカの弱さと素直さが垣間見えて、守ってあげたくなるようなかわいさがあります。
だからこそ、3号機事件が辛い…。
あと、やたらパンツが強調されてた気がするね。
縞パンは別に好きじゃなかったんだけど、アスカの縞パン描写は良かった。
緊迫と迫力の戦闘
エヴァ3機によるフォーメーション
エヴァ3機によるフォーメーションは見応えがあった。
クラウチングスタートからの3機一斉発進は、ロボアニメ好きなら興奮しないわけがない。
走り始めだけ体勢が不安定になるのもリアルな人間っぽくて好きな描写。
途中、鉄板みたいな防壁を展開して初号機の緊急コースを作ってたところとかかなり熱い。
リアルタイムに緊急コース形成の指示を出すミサトさんも臨場感があっていい。
ここで特筆したいのは、サハクイェルを受け止めたシンジ君の辛そうな声。
あれは本当にすごい。
緒方さんの迫真の演技がシンジ君とシンクロしてる。
手を貫かれても涙目で食いしばり、アスカを信じて耐えるシンジ君。
あと一歩足りない…というところで、自分の体も顧みずコアを固定する綾波。
もういっちょぉぉぉぉ!と見事コアを破壊するアスカ。
エヴァパイロットの誰一人が欠けても成功しえなかった、まさに「奇跡」を起こした奇跡の戦士エヴァンゲリオン。
最高でした。
衝撃的な3号機戦
起動実験前、ミサトさんとの電話でのやりとりが、素直なアスカを引き出していてとても好きなシーン。
だが、起動実験で3号機はアスカを乗せたまま使徒となってしまう…。
アスカを殺すくらいなら自分が死んだ方がマシだというシンジ君に代わって投入されたダミープラグ。
3号機を活動停止にするだけでなく、エントリープラグをかみ砕くという衝撃の結果に…。
シンジ君がネルフ本部を占拠するのも無理はない展開。
序でリツコさんがシンジ君を「人の言うことに大人しく従う。それが彼の処世術なんじゃないの」と評していましたが、そんなシンジ君が怒りに任せてネルフ本部を攻撃するほど、アスカの件は衝撃的。
一緒に墓参り行ったり、サハクイェル戦後に褒めてくれたりして関係が良好になってきたと思ったらこれです。
今度こそ、シンジ君とゲンドウの間には決定的な溝ができてしまった。
シンジの願い
もう初号機に乗らないと言って飛び出したシンジ。
綾波のピンチを知り、再びNERV本部に戻る。
「なぜここにいる」というゲンドウに対して啖呵を切るところがあまりにもかっこよすぎて感動した。
このシーン、「父さん!」って叫んだ時に、いつも冷静なゲンドウが後ずさりしてるんですよね。
まさかシンジ君がこんな剣幕で自分に詰め寄ってくるとは思っていなかったのか。
それくらい強力な意思で帰ってきたシンジ君の漢気が本当にかっこいい。
初めてエヴァに乗った時も、シンジ君は傷ついた綾波を見て乗ることを決心したんですよね。
NERV本部へ侵入し、至近距離で光線を放たんとする第10の使徒。
そこに現れて横から全力で殴りかかる初号機が…カッコよすぎる!
本部内での戦いってだけで燃えるシチュエーションなのに、発進用カタパルトに使徒を押さえつけて一緒に地上まで上がるところがロマンすぎて燃えに燃える。
「ミサトさん!」って叫んだ時の表情もシンジ君の必死さが伝わってきてすごくいい。
使徒に取り込まれた綾波を助け出す時の描写もすごく良くて…特に好きなのが次の一言。
これですよ。
これなんですよ。
いつも穏やかで断定的な物言いはしないシンジ君から発せられた魂の叫び。
それがこの「来い!」という一言なんですよ。
惚れるだろ、こんなん…
最高のエンタメエヴァ
戦闘描写はさることながら、シンジ君をはじめとしたキャラクターにだいぶ魅せられたヱヴァ破。
シン・エヴァンゲリオンがどのような結末を迎えるのか楽しみにしつつ、Qも観ていきたいと思います。
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